アメリカが、ついに中国車の締め出しを法律で固定化しようとしています。
アメリカが大きく舵を切った
もし法案が成立すれば、中国経済だけでなく、日本の自動車産業にも少なからず影響を与えることでしょう。
そして、この流れは高市総理が以前から掲げてきた「経済安全保障」の考え方とも重なります。
なぜ今、アメリカはここまで強硬な姿勢を取るのでしょうか。
米国で何が起きているのか
きっかけとなったのは、Xで拡散されたmeiさんの投稿です。
投稿では、アメリカ上院商業委員会が、中国メーカーによる乗用車販売を事実上禁止する法案を採決する予定であり、超党派の支持を受けて年内成立の可能性が高いと紹介されました。
今回の法案が対象としているのは、インターネット通信機能を備えた「コネクテッドカー」です。
現在の自動車は、位置情報やカメラ映像、走行データ、さらには車内の音声まで大量のデータを送受信しています。
特にAIを活用した完全自動運転(FAD)の時代になれば、その情報量はさらに増えていきます。
アメリカ政府は、それらのデータが中国政府に利用される恐れがあるとして、国家安全保障上の重大な問題と考えています。
中国経済への影響は意外と限定的?
実は、中国メーカーは現在でもアメリカ市場でほとんど販売できていません。
高い関税や厳しい規制があるためです。
つまり今回の法案は、新たな締め出しというより、現在の状況を法律で恒久化・固定化する意味合いが強いと言えます。
そのため短期的に見た場合、中国経済へ与える影響はそれほど大きくないでしょう。
しかし、中長期的にに見ると話が変わります。
世界最大級の市場であるアメリカへの道が閉ざされれば、中国メーカーはヨーロッパや東南アジア、中南米などへさらに販売攻勢を強める可能性があります。
その結果、日本メーカーとの価格競争はこれまで以上に激しくなるでしょう。
日本にとって追い風となる理由
一方で、日本にとって明るい材料もあります。
アメリカ市場では、中国メーカーとの競争がさらに減る可能性があります。
トヨタやホンダ、日産、スバル、マツダなど、日本メーカーにとって販売面では追い風になるかもしれません。
さらに、安全保障を重視する流れの中で、部品や素材の調達先を信頼できる国へ切り替える動きが加速する可能性もあります。
特に日本企業が持つ高品質な部品や素材、精密技術への期待は高まるでしょう。
もちろん、安心はできません。
中国メーカーは他の市場で攻勢を強める可能性が高く、日本企業も価格やソフトウェア、電動化などで競争力を高め続ける必要があります。
高市総理の経済安全保障と重なる世界の流れ
ここで注目したいのが、高市総理が以前から訴えてきた「経済安全保障」です。
その要諦は、重要な技術や物資を特定の国へ依存し過ぎないという考え方です。
コロナ禍では医療用品の供給が止まりました。
半導体不足の時期には、自動車メーカーが減産を余儀なくされました。
さらに、経済の武器化を平然とやってのける中国によるレアアース輸出規制では日本を始め世界中が影響を受けています。
こうした経験から、「安ければそれで良い」という時代は終わりつつあります。
多少コストが上がっても、安全で信頼できる国と協力する。
世界はその方向へ大きく動き始めています。
今回の法案は自動車に関するものですが、この動きはそれに留まりません。
半導体、AI、通信、ドローン、重要鉱物など、幅広い分野で中国への依存を減らそうという大きな流れの一環なのです。
もちろん、この法案を高市総理が主導したわけではありません。
しかし、高市総理が掲げてきた経済安全保障やサプライチェーン強化という方向性が、世界の潮流と一致し始めていることは注目すべきでしょう。
まとめ
世界の変化をどう読むか
今回の法案が成立するかどうかは、今後の議会審議を見守る必要があります。
しかし、一つだけ確かなことがあります。
アメリカだけではなく、今世界全体が安全保障を最優先する時代へと大きく方向転換を始めています。
日本も、その変化を正確に読み取り、国益を守る戦略を進めなければなりません。
特に中国に関しては感情的に排除するのでもなく、過度に依存するのでもない。
守るべき技術や産業は守り、あらゆる面で価値観を共有できる国々(同志国)と連携を深める…。
そうした方向への転換が特にこれからの日本には強く求められていると言えるでしょう。
